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海の騎士道

大海原にゆっくりと沈む巨大な船の上で、女性と子供を優先して救命ボートに乗せ、海の中へと飲まれていく運命を受け入れる男たち――しかしこの「海上の騎士道」、実はまったくの「幻想」だったという研究結果をスウェーデンの学者2人が発表した。

同国ウプサラ大学の経済学者、ミーケル・エリンデル氏とオスカル・エリクソン氏は、1852年以降に世界で起こった有名な海難事故18件について調査した。

結果、男女間の生存率では、男性が女性の約2倍の確率で生き残っていたことを突き止め、82ページの報告書『誰もがわれ先に――海難事故におけるジェンダー、規範、生存』にまとめた。

エリクソン氏は12日、AFPの取材に対し「映画『タイタニックなどで広まった、女性と子供を先に逃がして男性は後に残るという大衆幻想がある。しかし実際の海難事故では、女性にとってそう都合良くはない」と語った。

調査対象となったのは、海難事故を起こした8か国、18隻の船に乗っていた計1万5142人。生存率を性別で見ると、男性の34.5%に対し、女性は17.8%だった。

中でもエリクソン氏がショックを受けた例として挙げたのは、1994年にバルト海で沈没し、982人中852人が死亡した客船エストニア号の事故で、男性の生存率が22%だったのに対し、女性ではわずか5.4%だった。

18件の事故全体で男女の生存率が同程度だったのは数件。うち女性が多く生き残った例となると、わずか2件だけだった。

例外とも言えるその2件のうちのひとつが、タイタニック号だ。タイタニック号では女性の70%が生き残ったのに対し、男性の生存率は20%だった。

もうひとつの例は、1852年に南アフリカのケープタウン近くの港から出港し、直後に沈没した英軍輸送艦バーケンヘッド号で、この事故では女性は全員助かったが、男性の生存率は33.5%にとどまった。エリクソン氏によると「海の騎士道」幻想はこのバーケンヘッド号に由来しているという。

タイタニック号の場合もバーケンヘッド号の場合も、まず船長が女性と子供を先に救命ボートに乗せるように命令していた。さらに注目すべきはどちらの事故でも船員たちが武装し、男性たちを脅して救命ボートに近寄らせなかったという点だ。

またエリクソン氏は、英国船の事故ほど騎士道が発揮されるという俗説についても、(実際は)英国の船のほうが他国の船よりも女性の生存率は低いと述べ、退けた。

大惨事の際に英雄的な行動をとる人々の例はたくさんあるが、大半の場合は生存本能が働き、「誰もがわれ先に」と逃げることが今回の研究で示されたとエリクソン氏は語った。【4月17日 AFP】

この調査結果は実に興味深い。しかし、これは船長以下乗組員が正常な任務を遂行をしていた場合のことである。

乗客の生命を守るはずの船長以下乗組員が、我先に逃げてしまう行動は論外で畜生にも劣る。

 

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Author:憂国の武士
あゝわれ如何にふところの剣は鳴りをひそむとも咽ぶ涙を手に受けて かなしき歌の無からんや。

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